java, invented by canadians / kathryn_rotondo
Javaが有償化される。そんな衝撃的な話を皆さんご存知でしょうか。
Javaは実行スピードが早いこととプラットフォームに依存せず動作することから、Webシステムを中心に世界中で利用されております。
そのためこの有償化のニュースは非常に大きな影響が予想されています。
今回はそんなJavaの有償化について、背景や今度の影響や見通しについて紹介いたします。
1.有償化に至る背景について
Javaはサン・マイクロシステムズが開発したオブジェクト指向型開発言語です。
主にWeb系のシステムで利用されることが多く、Rubyなどの開発言語に比べ開発効率に優れている特徴を持ちます。
Javaの利点として、無償でセキュリティパッチなどのサポートが受けられる点があります。開発者も利用者も無料で利用できたため、Javaのシステムが世界的に普及することになりました。
そんなJavaの開発元であるサン・マイクロシステムがオラクルに吸収合併されたのは2010年のことでした。
Java開発者はオラクルが開発元となることで大きく変貌があることを予想しておりましたが、それからしばらくは無償公開がなされていました。
しかし、この度Java11からOracleJDKは有償公開がなされると発表されました。
それにより世界中のJava利用者は有償利用をせざるを得ない状況になってしまいました。
2.Javaの種類について
有償化が注目視されるJavaですが、どのような種類があるのでしょうか。次にJavaのリリースモデルや種類の違いについて紹介いたします。
2-1.Javaのリリースモデル
Javaは2017年9月にリリースされたJava9以降、以下の通りのリリースモデルとすると公式で発表されました。
メジャーバージョンのリリースは1年に2回、3月、9月のサイクルでリリースされます。2018年3月にJava10がリリースされ、2018年9月にJava11がリリースされる予定です。
マイナーバージョンのリリースは1年に4回、1月、4月、7月、10月のサイクルでリリースされます。
メジャーバージョンアップは主に機能の追加変更、マイナーバージョンアップはバグフィックスやセキュリティパッチなどが行われます。
2-2.2019年度以降の今度の影響や見通しについて
無償で利用可能なJava10は2018年9月にサポートが終了します。それ以降も継続的にサポートを受ける場合はJava11を利用する必要があります。
Javaのサポートは以下の3種類存在し、下に行くほど価格が高くなっていきます。
・Java SE Advanced Desktop
・Java SE Advanced
・Java SE Suite
Advanced Desktopはサポートの利用が大きく制限されるため、商用利用する場合は最低でもAdvancedが必要です。
Java SE Advancedで1物理プロセッサーのライセンスが年間600,000円、保守費用が年間132,000円です。
2-3.種類や内容の違い
JavaにはOracleが提供しているOracleJDKと、オープンソース版のOpenJDKが存在します。
OpenJDKにはOracleJDKに実装されているFlight RecorderやMission Controlなどのツールの利用ができません。
ただしJava11で有償化されることから、OpenJDKにも同様の機能を実装するという発表がありました。
そのため、今後両者には機能的な差は無くなります。
3.必ずお金を支払わないといけないの?
セキュリティ上のリスクを放置したまま利用することはおすすめできませんが、それでは必ずしも費用をかけて有償対応を行わなければならないのでしょうか。
上述のOpenJDKでは無償でサポートが受けられるため、OpenJDKを利用している限りは無償で利用を続けることができます。
しかし、OpenJDKはサポートが半年で終了してしまうため、サポートを受けながら継続利用するためには、半年に1回のメジャーアップデートでJavaの更新を行う必要が出てきてしまいます。
もちろん、バージョンアップは自動でできるものではありません。場合によってはバージョンアップを行うことで動作が異なってしまう機能などもあるため、動作確認は必須となります。
更新にかかる費用と、有償サポートでかかる費用を勘案し、どちらが良いのかを選択する必要があります。
4.まとめ
Javaはプラットフォームに依存しない動作などが非常に優秀で、世界中の様々なシステムに利用されています。
Java11から有償化されてしまうという発表には、世界中の技術者が混乱しており、現在も顧客との調整を行なっている企業は少なくありません。
そしてOracleもこのような混乱を避けるため、OpenJDKのLTS(長期サポート)を行う動きを匂わせています。
今後も新たな発表などがあるかもしれませんので、これからの動向にも注目していきましょう。
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